オリンピックもいいけど、第18回ショパン国際ピアノコンクールもワクワクするよ
- 絶対音感 の ドレ耳くらぶ
- 2021年7月22日
- 読了時間: 12分
更新日:2021年7月23日
オリンピック・・・選手を応援したい気持ちはとてもありますが、
こうまで問題がボロボロと出てくると、なんか呪われている気さえしますね。
小山田圭吾の件はショックでした。
私は当時フリッパーズギターの音楽がかなり好きで、
解散後はオザケンの音楽のファンだと思い込んでいて、
あまり表立って活動をされていない時期でも活動家として動いている彼の情報を
チェックし続け、その際に作っていた音楽なども聴いていたのですが、
そこにある音楽は、私の好みではなく、
完全復帰された音楽も当時私がフリッパーズギターでいいなと思っていたテイストの欠片も
ない気がして、アレ?っと思っていたときに、
小山田圭吾を細野晴臣のイベント経由で知り、
少しだけ彼の音楽をサブスク音楽配信で聞いてみると、
私がフリッパーズギターでトキめいた音の要素が残っているのを感じて、
あ、私はフリッパーズギターのオザケン側ではなく、小山田の方の音が好きだったのかも・・・
今後、コーネリアスを探ってみる楽しみができたな、って思っていたのですが。
今回の一見で、自ら、わざわざ彼の音楽を聴こうというアクションを起こす気が
全くおきなくなりましたね。
音が流れたらいいなと思うのかもしれませんが、
作曲者を知ると嫌悪感に繋がってしまう・・・
作品と人物は別っていう人もいるけど、
いい曲と思っても後味が悪いっていうように思う、
私のような人が多くなってしまうのは、
当然だよね。
相模原の施設での大量障害者の殺人事件でも同じ事を思ったのですが、
犯人は「障害者は世の中に不要」っていう事を言っていたけど、
一番の障害者は間違いなく本人なのに。
そういう思考になる事こそが精神障害者。
自分の事は気づけないのよね。
今回、それと一緒な気がしました。
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さて。オリンピックの話題ばかりテレビでやっているけれど、
もう一つ凄い大会も今、やっているんですよ!
そしてこっちは、順調に進んでいる!
ショパン国際ピアノコンクールです。世界3大コンクールと言われているうちの1つですね。
5年に1度、ポーランドのワルシャワで開催されるのですが、本来は昨年のはずがコロナで今年に延期。
今、予備予選の真っ最中です。
ここにエントリーするには、国内の指定されているコンクールで賞を取っていたりしないといけないので、
そりゃあもう難関なんですけど。
今年は、メチャクチャおもしろい!
私のように、コテコテのクラシックファンではない人にも、クラシックの良さが伝わるような、
そして、新時代の幕開けのような、そんな感じのコンクールです。
ショパン国際ピアノコンクール私なりの見どころ
・ポイント1
かてぃんさん(角野隼人さん)が出場する!Youtuberでおなじみの方です。
彼は、音大卒ではなく、開成→東大の修士卒という経歴で、
音大生をおさえ、2018年のピティナ特級グランプリになり、
そこから本格的にピアニスト活動をはじめます。
私がかてぃんさんを知るに至るまでのことを書くと、まず、
ピアノ系youtuberで、菊池亮太さんという方の即興演奏が
とても私の好みで、まだ登録者数が100とか位の頃から、
もっと有名になっていい人なのになと応援していました。
たくさんピアノ系youtuberはいますが、左手の演奏の動きを見ていたりすると、
そこに大きな実力の差が見て取れるんですよね。
菊池さんはクラシックの基礎もしっかりされていて、面白いのは音の展開の仕方と、速弾き。
ダントツだよな~って思っていました。
力強く、ワクワクする演奏です。
その後、この方の動画から、かてぃんさんの存在を知るのですが、
かてぃんさんと菊池さんの連弾即興を見て、
かてぃんさんがどんな人だか知らなかったのですが、
あの菊池さんについていっているどころか、誘導して、
その即興をさりげなーくコントロールしていて、
す、すごい・・・こんな人がいるんだ、とかてぃんさんの動画を見るようになりました。
菊池さんの即興力は本当に凄いので、
菊池さんと誰かが連弾即興をしている動画を見ていると、
実力差を感じてしまうのですが、
かてぃんさんは、菊池さんの即興に普通に対応できていて、びっくり。
初めて、菊池さんと対等にやりあえている方だと動画で思いました。
誰だ、この凄い青年は???
彼の動画にむさぼりついて、過去を辿りまくると、高校生時代にアップしたと思われる、
音ゲーの尋常じゃない満点クリア動画などを発見し、なおさら興味を持ちました。
で、かてぃんさんの本名を知ると、あ、
そういえば、聞いた事ある名前だと思い出しました。
かてぃんさんは、小さい頃からクラシックピアノでは注目されている人で、
昔テレビで何度か取材されていたのを記憶していて、あの男の子がこんなになったのかー、
クラシックの演奏に留まらず、即興力も凄いのかーと関心しました。
クラシックの基盤が物凄くしっかりしているから、繊細な音が物凄くキレイ。
この辺りは菊池さんとはだいぶ異なるタイプです。
(菊池さんのクラシックもいいんだけど、
繊細系より迫力系のクラシックが似合う人なんだよね。)
速弾きも凄いし、演奏のどの部分でも凄すぎるんです。
で、この方は、工学部で音響関係の勉強をしていて、だからか、
youtubeの音質の加工センスも抜群。
この方が、ショパン国際コンクールに今年出場するわけです。
演奏力だけではなく、即興力抜群、ブルーノートでジャズのリサイタルをやってしまう程、
ジャズも凄くて。
それだけではない。
Penthouse(ぜひ、youtubeとかwebで検索してみてください。おススメします。)
というカッコいいシティポップのバンドでキーボードをしていて、
そこでもガラリとクラシックの印象ではない弾き方でいいアレンジをしている。
音楽ジャンルのオールマイティの方。
音楽だけではなく、勉強もできるときたから、まいっちゃうよね。
神様が空から才能を振りかける際につまづいて、
この方の順番のときに大量に才能をこぼしてしまったのだろうかね。
ハマると突き詰めるという所が素敵。
音ゲーでは高校生のときに世界大会に出て好成績をおさめているそうで。
中学ではXJAPANにハマってバンドでドラムをやっていたそう。
たぶん、このドラムの経験が、Jazzにもいきていて、
クラシックの人のJAZZってどうもなぁ・・・って思う所は間やリズムにあると思うんだけど、
かてぃんさんはJAZZも凄い。
いろんな事が繋がって、結局、原点のクラシックにも磨きがかかっているという感じになったんだろうなと
思う。
で。こういう方がショパン国際コンクールに出場って、すごいよね。
時代が変わったなととても思います。
千葉出身で、お母様も素晴らしいと評判のピアノの先生で、妹さんは藝大の修士でピアニスト。
かてぃんさんは、金子勝子先生という、有名な指導者に小さい頃からついているんだよね。
(ちなみに、宇宙飛行士の山崎直子さんは親戚のようです)
で、ここで見どころ。
・ポイント2 金子勝子先生つながり
牛田智大さん。この方、丁寧な言葉使いで、とても小さい頃にプロの演奏家になった方。
2018年浜松国際ピアノコンクールで日本人初の2位を取り、予備予選が免除。
次の段階から合流する。
牛田さんは、上海で幼児期を過ごし、その後、日本では、金子勝子先生のお弟子さんでした。
金子勝子先生は、牛田さんの先生として、最初テレビで知っていたのですが、
最近はかてぃんさんの先生としてテレビで見ました。
この大会で、二人も教え子を出しているとなると、すごい先生なのでしょうね。
同じ門下生という見方をしても面白いですよね。
牛田さんは、12歳でプロになっていたと思うのですが、その後どこで学んでいるのかなと
調べてみると、国内で、モスクワ音楽院のジュニアカレッジで学んでいるようです。
私はカプースチンやハチャトリアンといった、ちょっと幾何学チックなイメージの曲を
作る作曲家が好きなので、彼らの母校のモスクワ音楽院に興味があります。
・ポイント3 子供時代のピティナ飛び級つながり
小林愛実さん。この方は前回とても若くして、ショパン国際コンクールに参加し、
前回日本人でただ一人最終まで残り、今回はリベンジになっています。
前回の小林さんから随分と大人の女性になっていて、精神的な心の落ち着きを
見ていても感じられ、どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみです。
小林愛実さんと、角野隼人さん(かてぃんさん)は同じ年齢。
小さい頃からピティナというコンクールの常連。
それも、一般的な年齢の級ではなく、二人が小3だったかな?
高校1年生位が出る級に角野さんは出場し、
銀賞を取るという快挙。
さらに驚くべきは、小林愛実さんは、さらにその上の級で金賞を取る快挙。
信じられない凄さです。
角野さんは学問の道の方にウェイトを置いていた期間が長かったのですが、
小林さんは音楽の道を探求し続けています。
小林さんはアメリカのカーティス音楽院で学んでおられます。
・ポイント4 かてぃんさんの東大卒だけじゃない。医大生もいる!
沢田蒼梧さん。この方も音楽と医学を両立されている方。
うーん、どうやったら、そういう生活ができるんでしょうかね。
東海高校→名古屋大学の医学部だそうで。
音楽をひとつだけを徹底するより、いろんな事は繋がっていて、別の事をやったからこそ、
拡がりが出るっていうのがあると思うんですよね。
今、早稲田高校の副校長って、数学の先生で、ピアニストとの二刀流の有名な方。
数学と音楽はとても似通っていると思うのですが、どちらも極めて、繋がって、
どっちも凄くなったのでしょうね。
で、副校長とは・・・凄い人が世の中にはたくさんいます。
でもね、世界を見ると、例えば、超有名なチェリストのヨーヨーマは、
ハーバード大学卒の人。学部はわからないので、音楽学なのかもしれないけど、
それも学問としての音楽だから、
音楽(演奏)と学問の両立をやって成果を出している人って、
海外では結構いるんだよね。
そういえば、フィギアスケートのネイサンチェンは、バリバリ現役なのに、
イェール大学で統計学と医学を学んでその合間に練習をしているっていうから驚き。
どういう時間の使い方してんだろうか。
そういえば、ドラゴン桜で、桜木先生が、
勉強をすることが何やるにも近道って気づいたっていうセリフがあったけど、
日本もそういうのを実践する人が増えてきている時代になってきた気がします。
かてぃんさんは、2018年にピアニストになると決めたので、
まわりの方々の、ピアノでプロになるぞと幼い頃から決めている人達とは
違う道のりを歩んでいる。
中高時代は1時間~2時間しか練習をしていなかったとの事。
数学に興味を持っていたそうで。
他の方よりショパン国際コンクールへの準備が足りないと感じているようで、
過去のまわりの方々の演奏をなぜ落ちたか、なぜ通ったかという分析からはじめたようです。
この辺り。ただがむしゃらに練習するのではないという点が凄いですよね。
しかし、沢田さん。医学との両立とは・・・。解剖実験やら研修やらいろいろあるんじゃないかな。
学校があっても、毎日6時間位練習していたみたいで。超人ですよね。
どんな音色を出す方なのか、楽しみです。
・ポイント5 モスクワ音楽院の音
反田恭平さん。
モスクワ音楽院で学ばれている方です。今はワルシャワを拠点にしているようですが。
私はロシアで学んできた人の音、ロシアの先生についた人の音、
音の出し方や力の使い方にとても他との違いを感じ、
とても興味を持っています。
ロシア関係の影響を受けている方の音色が抜群にいいように
思うのです。
牛田さんも、モスクワ音楽院系統で学んでいるようで、
フォームや音色に何か違いを感じれるのではないかと、
とても楽しみです。
日にち別の、予備予選のモーニングセッション動画を見ている限りでしかないけれど、
この方の音色、私とても好きです。
・ポイント6 ヤマハ繋がり
齋藤一也さん。
ここはあくまでも、個人的な事なのですが、
娘がヤマハで習っていた頃、ヤマハのJ専というコースに加え、
作曲と演奏を月1で大御所先生に見ていただける機会をいただいていたのですが、
そのときの、演奏を見ていただいていた先生が、
「私の教え子がコンクールで金賞とったのよ~」
なんておっしゃっていたのが、もう8年近く前だったような・・・。
それがこの齋藤さん。
ヤマハの奨学金を使って、藝大生のときにパリに留学されている。
ヤマハ時代、作曲と演奏、どちらも娘と同じ先生。
(娘は小学生の頃しか在籍していませんでしたからその先生の門下生とは呼べませんけれど。)
でも、応援したくなっちゃいますよね。
ショパン国際ピアノコンクールでは、横山幸雄さんが当時、日本人最年少で
3位に入賞され(1位なし)、
横山さんはクラシック分野でヤマハ時代を築く、ヤマハでの最初の成功者な気がしています。
それまでは、ヤマハはポピュラーというジャンルで有名でした。
ヤマハのポプコンは様々なアーティストを放出しています。
(中島みゆき、八神純子、渡辺真知子、世良公則&ツイスト、佐野元春、長渕、チャゲアス、
クリスタルキング、杉山清貴、岡村孝子、雅夢、松山千春などなど。)
ポピュラーにとどまらず、ヤマハがクラシックの域も拡げ結果を出した・・・
そのキッカケが私的には、横山さんのこの賞ではないかな?という気がしています。
そして、その後、後輩がどんどん続く時代に。
その後は、上原綾子さんとか、たくさんヤマハ出身者が賞をかっさらう時代になっていて、
演奏だけではなく、作ることも両立できる演奏家というのが当たり前の時代になってきたように思います。
40代以下の人はみんなそんな感じではないですかね。時代の流れです。
弾くと作るを同時に学んだ方が突き詰めた場合に有利なのだと思います。
今現在も、多くのピアニストの経歴には、ヤマハという文字は省略されがちですが、
小学生頃まではヤマハで学んでいる人が多いなぁと、経歴の師事した先生の名前を見ていると
わかるんですよね。
この方以外にも、幼い頃ヤマハだった・・・という方での出場者はいるかもしれませんね。
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ざっと、日本の方の一部の方のみの、私が見ようとしているポイントを6点書きましたが、
既に、予選動画がアップされたりしています。
見た事ない位、角野さんは緊張されていて顔がこわばっていました。
オリンピック同様、魔物が住んでいるのでしょうね。
ああいう場で挑戦している事を想像するだけでも怖くなります。
相当期間が長いですから、消耗してしまうと思うのですが、
頑張ってほしいです。
前回は韓国の男性の方が優勝していました。
でも、本番寸前まで、お母さんが真横にいて、
お母さんが彼の手を握って温めてあげている光景にちょっと引いたーーーー。
文化の違いなのでしょうけれど、
20歳超えた大人の男が母親に付き添われ手を温めてもらっている姿は
素晴らしい演奏よりも、インパクト大。
それはそれ。これはこれ。・・・になんない、私が悪いんでしょうけれど。
当時、とても若かった小林愛実さんが焦ったり、喜んだり、落ち込んだりしながらも、
ひとりで頑張っている姿に心打たれました。
今回、その5年後の姿の動画に、彼女に優雅で精神的な余裕さを感じました。
今回、小林愛実さん、いい感じでいくのではないかな???
かてぃんさん、緊張で手が少し震えていました。
どうなるかな。
他の日本の方もどんな方なのか調べてみたいな。
いつも使っている、浦安音楽ホールでは、ときどきここに出演されるピアニストの
演奏会があったりすますよね。
すごい事ですよね。
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