細野晴臣さんの凄さ
- 絶対音感 の ドレ耳くらぶ
- 2021年3月31日
- 読了時間: 10分
細野晴臣さんのことを書こうと思って止まっていました。
すごい人だなぁととても思うのは、未来を見据えている人だなというか。
細野晴臣さんを私はYMOで小3のときに知るのですが、
もっと前から活躍なさっていた方で。
彼のまわりには不思議とすごい人が寄ってくる…のか、
彼がすごい人を集めるのか、
彼といると凄い人になっちゃうのか、わからないけれど、
とにかく、中心にいるのは細野さんだと思う。
彼はいろんな角度から未来を読んでいる気がする。
例えば、80年代後半に米米CLUBが音楽と一緒に
舞台上に彼らの世界観を表現しようとして、
それを丸ごと含めて見せようとしていて、
自分達で衣装やメイクをしたり、
みんなが一緒に踊れるダンスを考えたりしていて、
音楽だけを聴くというのではなく、
衣装から振り付けから一帯を見てファンは楽しんでいた。
現在では、その点がもっと拡がって、今は音楽は舞台芸術の一部というような感じ
で表現したそうなバンドというのも結構増えているように思う。
例えば、セカオワ。
音楽に舞台アートのようなものを取り入れて、
全部ひっくるめて作品として見せようとしている。
でも、そういうのを最初にやろうとしていたのは、
細野晴臣さんではないか?と私は思っている。
YMOのメンバーとして、細野さんは美術家の横尾忠則さんを4人目のメンバーとして加えようとしていた。
実際、細野さんと横尾忠則さんの共作のアルバムを作ったりしている。
横尾さんと言えば美術界では巨匠だよね。
細野さんは、巨匠になる前の横尾さんに目を付けていたんだから、
凄いなぁと思ってしまう。のちに有名になる程の才能ある人を見抜いている。
YMOでは衣装という分野では高橋さんが活躍されている。
赤い人民服を着た衣装とテクノカットと丸眼鏡でも、
充分なアジアンのアピールになっていると思うし、音楽もすごいのに、
舞台から醸し出されるちょっと不気味さというのも、魅力。
でももし、横尾忠則さんが加入していたら、舞台がもっと、
想像を超えるすごいことになっていたのではないかなと思うと、
見たかった気がする。
横尾さんとのタイミングが合わず、結局加入はYMOにはなかったけれど。
さらに、細野さんの構想では、YMOのメンバーを入れ替わり制で流動的にしていこうと
思っていたようでね。
そこもさぁ、その構想って、モー娘。と一緒でしょ。
ZOOが消えてしまったという経験したEXILEのヒロさんが、
EXILEをメンバー入れ替え制にすれば、
EXILE自体はずっと残るというアイデアを思い付いた、風なことを
語っていたTVを見たことあるけど、モー娘。が実行してましたし。
ZOOよりも前に細野さんがそういう構想を言っていましたし。
ほんと、細野さんって未来読むよなぁ~。
どんだけ前にその構想を思いついているんだって思っちゃうよね。
あー、超一流プロデューサーの原石ばかりのモー娘。制のようなYMO。
見たかったな~。
もし、今でも続いていたら、3期生あたりに、小山田圭吾とか、
5期生あたりに星野源とか入っているんじゃないかな。
(どちらも細野さんを尊敬しているんだよね)
細野さんが考えることって、時代を何年も先取りしていて、
時代の方が追い付けてない。10年15年20年経って、
細野さんが言っていたことを誰かが再度やりだして、流行ったりしている。
細野さんは、YMOの前ははっぴーえんどやテインパンアレーというバンドなどをやっていて、どれもすごいということはわかっているのだけど、
私はあっさりとしかまだ知らなくて、詳しくはない。
なので、これからこのあたりをどんどん開拓していく楽しみが私には残っていて、
うれしい。
日本ではイギリスのビートルズの影響を受けたバンドブームが起こっていた頃(グループサウンズね)、はっぴーえんどという細野さんのいたバンド はイギリスのリバプール系の影響ではなく、アメリカの西海岸の音楽の流れを日本に持ち込んだバンドで、そこが私は今の日本のJpop音楽の起源ではないかな?と思うのです。
このハッピーエンドのメンバー。
前のブログに書いたYMOの高橋幸宏さんがいたサディスティックミカバンドも
豪華メンバーばっかりだけど、
ハッピーエンドもすごい。
細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂
うーん。豪華すぎて腰ぬかしそう。
松本隆さんは有名な作詞家。でも、彼はハッピーエンドではドラマーで、
その後、音楽プロデュースもしていた方。
でも、作詞家になるキッカケは、
細野さんに「お前書け」と言われたからだそうで。
たぶん、細野さん、松本さんの作詞のセンスを見抜いていたのではないかと思うんですよ。松本さんは作詞家としてすごい成功しますよね。
80年代アイドルの曲、聖子ちゃんマッチ少年隊・・・・そりゃあもう松本隆時代が到来しているわけです。
でもって、彼の作詞に曲を付ける人・・・となり、はっぴーえんどのメンバーが
大量に80年代の歌謡曲を作っているわけです。
JPOPの歴史を彼らが作っていったようなもので、そして、その頃の音楽に影響されている若者たちが今また音楽を作っているわけです。
はっぴーえんどの後には細野さんは
ティン・パン・アレー というバンドを組んでいるのですが、
そのメンツもまた、そりゃあ豪華なこと。
細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、佐藤博、林立夫
でもって、このバンドが、ユーミンのバックをやっていたというから、
凄すぎる。
私、松任谷正隆さんの編曲、昔から大好き。
いつも、ゴテゴテ余計な音を省き、わかりやすい編曲で、心にふんわりする
アレンジをしてくれる。
私は、細野さんの全ての感性がまず大好きで、
あとは、アレンジャーとしては、松任谷正隆さんと林哲司さんが好き。
細野さんの周辺の人って、みんなそれぞれが音楽プロデューサー集団で。
歌だけ、演奏だけ、とか、そういうのではなく、
作曲して、編曲して、歌って、演奏して、プロデュースしてって、できる人ばっかりが
「大量に」集まっている。同じときに生まれて見ていたかった。
凄かっただろうなと思う。
一方で、この時代は、フォークギター1本で貧しいけどのし上がってやるぜ系の
音楽も流行っていた時代だけど(吉田拓郎や矢沢永吉とか)、
細野さんの周辺は、恵まれた環境の人たちで、キラキラして華やか。
めちゃくちゃ高価な楽器を仲間の誰かしらが持っていたり。
海外の情報を引っ張ってこれる環境があったり。
私は、メッセージ性とかはどうでもよくって、
見たこともない聴いたこともない新しいキラキラした音を聴きたいタイプの
方なので、やっぱ、こっち側のオシャレな音楽を聴いて、いろんな妄想をしていたい。
過去を振り返ると、結構気づきがあるもので、自分の音楽の聴き方は、
小さい頃から、耳が良かったからだろうと思うんだけど、
音楽をメロディーではない部分の方で聴いていたように思う。
好きになる音楽は、80年代は、歌手ではなく、作曲家や編曲家の作品の方で
トキメイていたんだなって、振り返るととても思う。
(もちろん、普通にアイドルのファンだったりもしているけどね。)
小6のとき、サマーサスピションでデビューした杉山清貴&オメガトライブのファンになったのですが、
(モンキーマジック・ライディーンに次ぐ衝撃曲が、サマーサスピションね)
たった、数年で杉山清貴はオメガトライブを脱退してしまうことになり、
脱退を聞いて、私は絶望を感じたわけなのですが、
すぐに、杉山清貴はソロで活動し、
オメガトライブにはカルロストシキが入った。
てっきり自分は杉山清貴ファンだと思っていたから、
ソロの杉山清貴を追うのかと思いきや、意外にも、
カルロストシキ&オメガトライブにコロッと心変わりしちゃうんですよ。
なぜか。
私は杉山清貴でもカルロストシキでもなく、
私は、作曲家の林哲司のシンプルなコード進行使いのファンだったのだと後で気づくわけです。
同じことが最近も。
今更気づいたのですが、私は若い頃、FLIPPER'S GUITARが大好きで、
自分はオザケンのファンだと思い込んでたんだよね。(確かに顔は好きだった!ここは認めます。)
だけど、月日が経って、おじさんになったオザケンが音楽をやっているのを
聴いてみると、自分の好きだった音の部分のFLIPPER'S GUITARの欠片を
全然持っていない気がして。
あれ?月日が経ったからかな?若さからくる情熱が魅力に思っていたのかもしれないなぁ、とか、
自分なりに理由付けをして納得したつもりになっていたんだけど、
最近、初めて、小山田圭吾のソロを聴いて、びっくり。
私が好きなの、こっちじゃん!!!
私は長年オザケンファンだと思い込んでいたけど、FLIPPER'S GUITARの小山田圭吾の方の音楽に魅力を感じていたんだと今更気づき、FLIPPER'S GUITARは音楽性の違いで解散したらしいけど、私は小山田圭吾の方だったのか~と気づいたわけです。
FLIPPER'S GUITARとして合作をされていると、どっちがどっちというのがわからないけれど、
音楽の感性で解散となって、何年も経つと自分の思う方向にそれぞれが進んで行っていて、
オザケンはメッセージ性の方に少しいったんだと思います。
小山田圭吾、めっちゃいい~。こちらは音の方に行ったんだろうな。
ピコピコした音があったりして、私はこっち、こっち!
小山田圭吾を遡って開拓する楽しみも発見したわけです。
(こうやって、やりたいことって増えちゃうんだよなぁ~)
細野さんの話に戻すと。 YMOではリーダーは細野さん。 高橋さんと細野さんに、山下達郎さんのアルバムのキーボードをやっていたスタジオミュージシャンだった藝大生の坂本龍一さんが加わってYMOができるわけですが、 山下達郎さんと坂本龍一さんが繋がっているというだけでも、 ちょっと興奮しません?
昔の坂本龍一のラジオの音源をUPしている人がいて、最近それを聴いているのですが、 山下達郎さんがゲストだと、先輩・後輩っぽいトークで、坂本さんだけ敬語を使っていて。 面白いです。 はっぴーえんどは、フォークロック。 ティンパンアレーは、ロックとポップスの融合のような感じ。 YMOは、細野さんが、当時、外国人が見たアジア人をアジア人自身がテクノポップで作るというコンセプトでスタートしていて、シンセを多用している。 日本では最初はヒットせず、外国でヒットして逆輸入のように日本で売れたんだけど、そのアイデア力ってすごいなぁ。世の中の動向を読む力もすごい。 そして、細野さんって、細野さん自身の音楽の興味がどんどん遷り変るからだと思うんだけど、細野さん自身が演奏している音楽のジャンルが年代により、ものすごく、 ちゃんぽんなんだよね。
フォークロックの前はサイケっぽいことをやっていたり、かと思えば、ワルツのようなこともやっていたり。お笑いも好きで、コントとかにもたくさん出ていて。 音楽ジャンルや芸術分野、そういったものが、全部ちゃんぽんで、それでいていい感じに繋がっている。 そのちゃんぽん加減から、アイデアがわいてくるのかな。 コアは一緒でも、見せ方がどんどん変化していくんだよな、細野さんの作品って。 今、72歳ですって。 万引き家族の映画のサントラは、細野さんがプロデュース。 是枝監督が細野さんのファンだったから頼んだそう。 でも、この映画はドキュメンタリーみたいな映画だから、音楽いらないんじゃない? と細野さんは言ったそうで、でもそれでも頼まれたから、 映像を引き立てる、印象に残らない音楽を目指したそうで。 何がこの場でベストかっていうのをとてもつかんでいらっしゃって、 何やっても、流石なんだよなぁ。 YMOでは、坂本龍一さんと細野さんが意見の対立をして、高橋さんが間に入るような 感じだったらしいけど、全然タイプの違う天才二人だよね。 無限のアイデアの宝庫っぽい細野さんと、とことん掘り下げ探求していく坂本さん。 天才同士のぶつかり合いって、まわりから見ると、喧嘩に見えても、 本人達って喧嘩とは思ってなくて、5年で活動休止しているけど、でも、 なんだかんだアッサリしていて。 よく互いのライブに顔出したりとか、いい関係をしている。 YMOのライブ行きたかったな。。。 細野さんは元気なようだけど、坂本龍一さんは今癌を患わっていて、 高橋幸宏さんは脳腫瘍の手術を終えてそんなに経っていない。 彼らは、才能の枯渇なんかしないし、バリバリの現役の音楽家。 キーボード弾いたって、ベース弾いたって、ピアノ弾いたって、 ドラムやったって、今でもカッコイイし、 素敵って思っちゃう。
ジャズの巨匠、チックコリアが先日亡くなり、なんだかさみしい。
日本の巨匠達には、この先何年も元気でいてほしい。
次にもしライブをやってくれるようなら、高くても行く!
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